売上を上げたいなら、まず「お客様がどこを見るか」を考える
更新日:11 時間前
「売上を上げたい」
そう考えたとき、まず何を変えますか?
商品を増やす。
ディスプレイを変える。
POPをつける。
キャンペーンをする。
もちろん、それらも売場づくりの大切な方法です。
でも、VMDの視点から考えると、その前に見ておきたいことがあります。
それは、
「お客様は、売場のどこを見ているのか?」
ということです。
売場にどれだけ魅力的な商品があっても、お客様の視線に入らなければ、その商品は「存在していない」のと同じになってしまうことがあります。
だからこそ、売場を考えるときは、まず「お客様の目線」から考えることが大切です。
お客様は、売場に入った瞬間から見ている
お客様は、店舗に入ってから商品を探し始めるわけではありません。
入口に立った瞬間。
店の前を通った瞬間。
ウィンドウを見た瞬間。
すでに売場を見ています。
そして、無意識のうちに、
「この店は何のお店なのか」
「どんな商品があるのか」
「自分に関係がありそうか」
「ちょっと見てみようかな」
という判断をしています。
つまり、VMDでは、
「何を見せるか」だけではなく、「最初に何が見えるか」
がとても重要になります。
「見せたい商品」と「見られる商品」は違う
ここは、VMDの現場でも大切なポイントです。
お店側が、
「この商品を見てほしい」
と思っていても、実際にお客様がそこを見ているとは限りません。
例えば、入口から入ったときに、目の前にたくさんの商品が並んでいたとします。
商品数は多い。
品揃えも豊富。
ディスプレイもきれい。
でも、情報が多すぎると、お客様の視線がどこに向かえばいいのか分からなくなることがあります。
反対に、商品数がそれほど多くなくても、
「まずここを見る」
というポイントが自然につくられている売場は、店内の情報が伝わりやすくなります。
だから、
「何を置くか」だけではなく、「どこに置くか」
を考える必要があります。

お客様の視線には「流れ」がある
売場に入ったお客様の視線は、ずっと同じ場所に止まっているわけではありません。
入口から店内を見る。
↓
目に入った商品を見る。
↓
気になる商品に近づく。
↓
商品を手に取る。
↓
周辺の商品を見る。
このように、視線と行動はつながっています。
だからVMDでは、単に「目立つ場所に商品を置く」という考え方だけではなく、
「その商品を見たあと、お客様に何を見てもらいたいか?」
まで考えることがあります。
一つの商品から、次の商品へ。
一つのディスプレイから、次の売場へ。
視線が自然につながっていくことで、店内の回遊も生まれていきます。
「目立たせる」ことが正解とは限らない
売場を改善するとき、
「もっと目立たせよう」
と考えることがあります。
大きなPOPを置く。
色を変える。
商品を高く積む。
ディスプレイを大きくする。
もちろん、必要な場合もあります。
でも、すべての商品を目立たせてしまうと、結果的にどの商品も目立たなくなってしまいます。
大切なのは、
「どの商品を、どのタイミングで見せるのか」
です。
例えば、入口ではブランドや店舗の世界観を感じてもらう。
その先で、今おすすめしたい商品を見せる。
さらに店内を進んだところで、関連商品を見せる。
このように、お客様の視線の流れに合わせて情報を整理することで、売場は見やすくなります。
お客様の「目線の高さ」も大切
同じ商品でも、置く高さによって見え方は変わります。
目線の高さにある商品。
少し下にある商品。
手を伸ばさないと見えにくい商品。
それぞれ、お客様からの見え方は違います。
だからこそ、
「この商品は、どの高さで見てもらいたいのか?」
を考えることもVMDの仕事です。
特に、お店の中で一番見てほしい商品をどこに配置するのか。
どの商品を主役にするのか。
その優先順位を考えることが、売場づくりにつながります。
「お客様の目線」で売場を見てみる
売場を改善するとき、ついスタッフ側の目線で考えてしまうことがあります。
「ここに商品があるから分かる」
「このディスプレイはきれい」
「このPOPには必要な情報が書いてある」
でも、それはあくまで店舗側から見た売場です。
一度、
実際にお客様が立つ場所に立ってみる。
入口から店内を見る。
少し離れて売場を見る。
お客様が歩く通路を歩いてみる。
そして、
「最初に何が目に入る?」
「次にどこを見る?」
「この商品は見つけやすい?」
「ここまで歩いてみたいと思う?」
と考えてみます。
すると、スタッフとして毎日見ている売場でも、違った見え方をすることがあります。
売上を考えるとき、「視線」から考える理由
売上は、突然生まれるものではありません。
お客様が店舗を知る。
↓
興味を持つ。
↓
入店する。
↓
商品を見る。
↓
気になる商品を見つける。
↓
手に取る。
↓
比較・検討する。
↓
購入する。
この一連の流れの中で、「見る」という行動はとても重要な位置にあります。
だからこそ、
「売上を上げたいなら、まずお客様がどこを見ているのかを考える」
という視点が生まれます。
もちろん、視線を変えれば必ず売上が上がる、という単純な話ではありません。
商品力や価格、接客、立地、季節、ブランド力など、売上にはさまざまな要素が関係しています。
それでも、売場の中で「何が見えているのか」を確認することは、VMDによる改善を考えるうえで大切なスタート地点になります。
VMDは「見せる仕事」ではなく、「伝わる状態」をつくる仕事
VMDというと、
「商品をきれいに並べる」
「ディスプレイをつくる」
というイメージを持たれることがあります。
もちろん、それもVMDの一部です。
でも、本当に考えているのは、
「お客様に、どう見えているか」
ということ。
どれだけ素敵な商品でも、見つけてもらえなければ始まりません。
どれだけこだわったディスプレイでも、伝えたいことが伝わらなければ意味がありません。
だからこそ、
「何を見せるか」
「どこで見せるか」
「どの順番で見てもらうか」
を考える。
それが、VMDの大切な役割の一つです。
まとめ
売上を上げたいと考えたとき、すぐに売場を変えるのではなく、
まず、
「お客様はどこを見ているのか?」
と考えてみる。
入口から見えるもの。
目線の高さ。
ディスプレイ。
商品の配置。
通路の先。
そして、その先にある商品。
お客様の視線を考えていくと、売場の中にある「見えていなかった課題」に気づくことがあります。
売場づくりは、店舗側が「見せたいもの」を並べるだけではありません。
お客様から見たときに、何が見えているのか。
そこから考えてみる。
それが、VMDで売場を考えるときの大切な一歩です。
次は、【入店/入口】をVMD視点から考えていきます。

