VMDで売上は変わるのか?【売れる売場】に共通する3つの視点
更新日:2 時間前
「VMDで本当に売上は変わるのか?」
VMDという言葉を聞くと、ディスプレイをきれいにしたり、商品を魅力的に見せたりする仕事をイメージする方も多いかもしれません。
もちろん、それもVMDの重要な仕事です。 しかし、VMDの本質は、単に「見た目のいい売場」をつくることではありません。
お客様が店舗に入り、商品を見つけ、興味を持ち、手に取り、比較し、購入する。
その一連の行動を考えながら、売場そのものを設計していくこと。
私は、これがVMDの大きな役割のひとつだと考えています。 実際の店舗では、同じ商品を扱っていても、商品の見せ方や配置、入口からの見え方、店内の動線などを変えることで、お客様の行動が変わることがあります。
では、「売れる売場」にはどのような共通点があるのでしょうか。 今回は、VMDと売上を考えるうえで重要な3つの視点についてお話しします。
【VMDと売上の関係】
VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)は、商品の魅力を視覚的に伝えるだけのものではありません。
「何を、どこに、どのように見せるのか」
そして、
「お客様にどのように店舗を歩いてもらい、どの商品と出会ってもらうのか」
までを考えることが重要です。
例えば、どれだけ魅力的な商品であっても、お客様の目に入らなければ、その商品の存在を知ってもらうことはできません。
また、商品が見えていても、手に取りにくい場所にあったり、周囲の商品との関係が分かりにくかったりすると、購入までつながらないことがあります。
つまり、売上を考えるときには、 商品そのものだけではなく、「商品とお客様が出会う環境」も考える必要があります。
VMDは、その環境をつくる仕事です。
入口から見える景色、アイキャッチとなる商品、商品の配置、ディスプレイ、什器、照明、色、素材。
それぞれを別々に考えるのではなく、ひとつの売場としてつなげていく。 その結果として、お客様の視線や行動が変わり、商品との接点が増えていきます。
【売れる売場に共通する3つの視点】
ここからは、私が売場を見るときに特に大切にしている3つの視点をご紹介します。
01 視線|まず「見つけてもらう」 最初に考えたいのが、お客様の視線です。
店舗に入った瞬間、お客様は売場のすべてを見ているわけではありません。
まず目に入るものがあります。 入口から見える商品。 正面にあるディスプレイ。 高さのある什器。 ブランドを象徴するビジュアル。 季節感のある演出。
こうした最初の視覚情報が、「この店には何があるのか」を伝える役割を持っています。
特に重要なのが、店舗に入ったときに最初に目に入る場所です。 そこに何を置くのかによって、お客様がその先に進むかどうかが変わることがあります。
例えば、店舗の一番見せたい商品が、入口から見えない場所に置かれていたらどうでしょうか。
商品そのものに問題がなくても、お客様との最初の接点をつくることができません。 だからこそVMDでは、 「何を見せたいか」だけではなく、「お客様からどう見えるか」 という視点が重要になります。
02 動線|自然に「歩いてもらう」 次に重要なのが、お客様の動線です。
店舗に入ったあと、お客様はどこへ向かうでしょうか。
右に進むのか、左に進むのか。 どこで立ち止まるのか。 どの商品を見て、その次にどの商品を見るのか。 売場には、お客様の行動を自然に誘導する仕掛けがあります。
例えば、入口付近でブランドや商品の魅力を伝え、その先に関連商品を配置する。 さらに奥に進むにつれて、別の商品や新しい提案が目に入る。
このように、商品との出会いをつなげていくことで、店内を回遊しやすい売場をつくることができます。
反対に、商品をたくさん置いていても、通路が分かりにくかったり、視線が止まる場所がなかったりすると、お客様が一部の売場だけを見て退出してしまうこともあります。
VMDでは、商品をどこに置くかだけではなく、 「お客様にどのように歩いてもらうか」 を考えることが大切です。
03 滞留・選択|じっくり「選んでもらう」
3つ目は、滞留と選択です。
商品を見つけてもらい、店内を歩いてもらったら、次は商品をじっくり見てもらう必要があります。
ここでは、 「ちょっと見てみよう」 「手に取ってみよう」 「他の商品と比較してみよう」 という行動が生まれることが重要です。
例えば、商品同士の間隔が狭すぎると、商品を比較しにくくなります。 反対に、適切な余白をつくることで、一つひとつの商品が見やすくなり、選びやすくなる場合があります。
また、関連する商品を近くに配置することで、最初に興味を持った商品から別の商品へと視線を広げることもできます。
売場で大切なのは、「たくさんの商品を見せること」だけではありません。
「お客様が選びやすい状態をつくること」
もVMDの重要な役割です。
【実際の売場で見るべきポイント 】
では、実際に売場を改善するとき、何から見ればいいのでしょうか。
私はまず、お客様の行動を見ることを大切にしています。
例えば、
店舗の前を通った人は、どこを見ているのか
入口で立ち止まる人はいるのか
店内に入った後、どちらへ進むのか
どの商品に視線が集まっているのか
商品を手に取る場所はどこなのか
店内のどこで滞留しているのか
反対に、ほとんど人が通らない場所はどこなのか
こうした行動を観察することで、売場の課題が見えてくることがあります。
もちろん、売上や入店率などの数字も重要です。
しかし、数字だけでは「なぜその結果になっているのか」までは分からない場合があります。
だからこそ、 数字を見ることと、現場を見ること。
この両方が必要です。
VMDは、感覚やセンスだけで売場をつくる仕事ではありません。
お客様の視線や動線、滞留、商品の選択。
そして売上や入店率などの変化。
さまざまな情報を組み合わせながら、売場をより良い状態へと改善していく仕事です。
【まとめ】
VMDで売上を考えるとき、大切なのは「きれいに見せること」だけではありません。 今回ご紹介した、
① 視線
② 動線
③ 滞留・選択
この3つを意識することで、売場を見る視点が変わります。
お客様に商品を見つけてもらう。
店内を自然に歩いてもらう。
商品を手に取り、比較し、選んでもらう。
その一つひとつの行動を考えながら売場をつくることが、VMDの役割です。 売場を変えることは、単純に商品を並べ替えることではありません。
お客様と商品が出会う環境を変えること。
そして、その積み重ねが、売場の可能性を引き出していきます。
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